2004年8月24日
     京都 宇治
数ヶ月前、夕刊に
「宇治」の記事を見つけました。
初めは雨に煙る山と、鮮やかな朱塗りの橋に目が奪われました。
記事の冒頭
『この川はけっして人を癒したりはしない。』
普通、川の流れは、人を癒したり
郷愁を誘ったり、清涼感を与えたりする存在なはず…
でも宇治川は人の心を癒せないの??
逆説的なこの言葉が妙に心に残って、
記事を切り抜き、いつか宇治を訪ねたいと願っていました。

記事を読み進むにつれ
光源氏の没後を綴った源氏物語「宇治十帖」が
この土地に深くかかわりがあるとの事で
全く興味の無かった源氏物語の事も
ほんのちょっとだけ知る事となりました。
ほとんど知識のない私がここで源氏物語の事を語るのは
避けたいと思いますが
朝日新聞の記事から「宇治十帖」の
ストーリーを引用させて頂きます。
『光源氏の子薫君(かおるのきみ)と薫君の甥、
匂宮(におうのみや)の男性二人と
大君(おおいきみ)中君(なかのきみ)、
浮船(うきふね)の姉妹が織り成す悲恋の物語
浮船は二人の間で身も心も引き裂かれ
宇治川に身を投げるが救われて出家し、
後に訪ねてきた薫君を
「人違い」とはねつける強さを見せる………』

宇治川の波立つ流れ、浮世離れした雰囲気。
まるで映画のロケ地にでも来たかのようです。
ゆっくり、のんびり…源氏物語の舞台を散策しました。

京阪本線にしか普段乗らない私ですが
初めて「宇治線」の電車に揺られて
宇治駅に到着。
京阪 宇治駅
なんともお洒落な駅です。
駅を出ると、直ぐそこには
宇治川が流れていました。
時代劇に出てきそうな
「宇治橋」です。
何度も架け替えられているとは思いますが
646年に宇治橋が架橋され、
奈良時代には平城京と近江、北陸を結ぶ
交通の要衝だったそうです。
先ずは宇治橋を渡らずに、
そのまま上流へ
静かな小道を行くと
ほどなく宇治神社が見えてきました。
宇治神社本殿。
私もちょっとお願いしてきました。
きっと写真的には失敗なんですが
なんとなく気に入った一枚です。
宇治神社を後にして宇治上神社へ。
ちょっと距離があるんだと思っていたら
ものの数十メートル先に
宇治上神社が見えてきました。

国宝 宇治上神社 拝殿
世界文化遺産に登録されています。
国宝 宇治上神社 本殿
説明は写真をクリックして下さいね。
「さわらびの道」
散策を楽しみながら
源氏物語ミュージアムを目指します。
源氏物語ミュージアムのお庭です。
もみじのトンネル…
秋に来たら綺麗だろうな〜♪

詳しくはこちらをご覧下さいね。
源氏物語ミュージアム





源氏物語ミュージアム。
中に入ると、お香の香りが…
「間もなく<浮船>が始まりますので、
まずは映画からご覧下さい。」
と館内へ案内していただきました。

暗い廊下を通ると、靄がたち込め
小さな池の橋を渡ると
映画を鑑賞する席が見えてきました。
席の下には蝋燭を模した灯りが灯され
なんとも幻想的な演出が凝らされていました。
この映画…
印象としてはHNKの人形劇みたいなんですが
人形のしぐさの中に恋心を抱いた瞬間や、
落胆など、無表情なはずの人形に
リアルな感情が表現され、見応え充分。
20分と短いながら
すごく良く出来た映画でした。
この映画のお蔭で、浮船と薫君、匂宮の
悲恋の物語が良く解りました。
私のように源氏物語と宇治の
関係が良く解らない人には良い映画だと思います。
そして市が運営するミュージアムの映画にしては
凝ってるなぁと思ったらそれもそのはず
監督:篠田正浩
紫式部(声):岩下志摩
浮舟(声):葉月梨緒菜
豪華です!

源氏物語ミュージアムとは言っても
”光源氏が使った枕”とかが展示されている訳では
決して無いんですよね。
登場するのはあくまで架空の人物。
しかしこんなにも長く人々に親しまれた源氏物語
実際に歴史上に存在したかのような
錯覚に陥る人がいるのも解る気がします。
もしかしたら、人々の心の中で
命を得ているのかもしれません。

朱塗りの朝霧橋と
匂君に寄り添う浮船の石造
新聞によりますと、
ここで物思いにふける女性が多いそうです。
物語の中で、浮船が本当に愛していたのは
薫君なのか匂宮なのか、私には解りませんが
この石造を見る限りでは、
夫である薫君ではなく
匂宮を愛していたんでしょうね…

皆さん、ここで何を思われるんでしょう??
浮船に自分を重ねたりするのかな?
今晩のおかずの心配してるのは私くらいです。
朝霧橋から上流を望む。
新聞に書かれていた
『この川はけっして人を癒したりはしない』
の言葉に納得。。
川いっぱいに広がる早く激しい流れ。
吸い込まれそうな美しさの中に秘められた
恐怖…とでも言うのでしょうか。。
足がすくみます。
「朝霧橋」を渡りきると
中州のような「橘島」に着きます。

橘島の上流にもうひとつ
「塔の島」があるそうなんです。
そこへも行っておけば良かったなぁと
家に帰ってちょっと後悔。。
ん。泳ぎません。。
橘島から対岸へ掛けられている
「橘橋」
中州を挟んだだけで
こちらの流れは橋が水面に映るほど緩やかです。
きっと上流で調節されているのでしょうね。
町で見かけるソフトクリームは全部緑です。
おっ!
意外なところに入り口発見♪
平等院入り口
国宝 平等院鳳凰堂 右からどうぞ。
やや左からどうぞ。
10円玉でお馴染み♪
しかし、あのアングルからの撮影は
樹が邪魔して難しいです。
とことん左からどうぞ。

平等院は永承7年(1052年)
関白藤原頼道によって開創
鳳凰堂はその翌年天喜元年(1053年)
阿弥陀如来(国宝)を安置する
阿弥陀堂(国宝)として建立されたそうです。

元々は光源氏のモデルとされる
源融(みなもとのとおる)の別荘だった所を
藤原道長が購入し、息子の頼道の時代に
平等院となったそうです。
詳しくは
平等院公式ホームページ
をご覧下さい。
蓮の水玉♪

この水玉を撮影してる時
外国からいらした女性が
不思議そうに私を見ていました。
私がココを離れると
水玉を指手で弾いて
楽しんでらっしゃいました^^
紫式部の石造と宇治橋。
紫式部は生年、没年さえはっきりしない
謎の多い才女なんだそうです。
詳しい説明は
↓こちらをクリックして下さい。
(そんなんばっかし)

宇治橋…やなぎがそよそよ。。
宇治橋から撮った
左の「朝霧橋」
右の「橘橋」

そして浮船が身を投げた
「宇治川」



『400人以上が登場する物語の最後のヒロイン、浮船。
激流にのまれる寸前だった彼女に、
紫式部は行き続ける道を課す。
憂愁、諦念、喪失感を乗り越えようとする人の凛とした強さ。
長い旅路の終章に込められたそんなメッセージが
女性達の心をとらえ続けているのだろう。』
そう記事は締めくくられていました。
源氏物語を踏まえて訪ねるも良し
何も先入観なく訪ねて
ただただ宇治の地の美しさに浸るも良し

人それぞれに何かを感じられるのが、
ここ「宇治」ではないでしょうか??


ホームへ
写真のTOPへ